グランクレスト大戦RB あらすじ

 前企画【グランクレスト大戦RB】では、『グランクレスト』の舞台であるアトラタン大陸で起こった大きな戦争を扱いました。
 前企画および本企画は、『グランクレスト戦記』を原作小説とした二次創作企画ですが、原作小説のパラレルワールドを舞台としており、上記の大戦以降の物語は、オリジナルのものとなります。
 上記大戦に至るまでの原作のあらすじはこちらをご確認ください。
 
◆01◆大戦のはじまり

 同盟・連合・条約の三大勢力による大抗争が幕を開ける。
 開戦から暫くの間は時々衝突が発生する程度だったが、日に日に戦火は拡大し、衝突する機会も増えて行った。
 連合と同盟が相互に激突し実力が拮抗した勝負を続ける中、盟主ティオと一体となり進軍する条約が他の二勢力より一歩抜きんでる形で戦は進んでいった。

◆02◆二極化を始める戦場

 戦争が長期化を始めるに連れ、大陸中央部に向けて各勢力の戦線は伸びて行った。
 他の二陣営との衝突を繰り返す「激戦区」と呼べるようなエリアと、対極をなす「後方」と呼べるようなエリアへと二極化が進んでいった。
 補給の源を担う後方エリアでは、戦場ではなかなか見られないような交流風景なども眺めることができた。
 戦況としては、条約がやや優勢であることは変わらず、連合・同盟間の拮抗がやや連合有利に傾き始めていた。
 また、この頃から各地で不審な動きをする謎の勢力が観測され始めていた……。
◆03◆暗躍する組織

 大戦が益々激化の一途をたどっていく中、大陸中で不穏な声が届き始める。
 内容は、いたずらに陣営内での仲間割れや同士討ちをさせるような行為をするものが増え始めたというものだった。
 時を同じくして、『パンドラ』なる謎の単語が大陸のあちらこちらからぽつぽつと聞こえ始めた。
 一部の英雄たちは、そんな謎の言葉を追いかけ始める。
 戦況は大きく動かず、未だ条約の士気が高いまま推移していた。

◆04◆決戦の幕開け

 長期化してきた戦争に、三勢力はついにその戦力の大半を集中し一気に決着をつけるべく動き出した。
 戦場はまさに決戦とも言うべき雰囲気を生み出し、もはや戦場の中で補給線、後方などと呼べるような地域はなくなってしまった。
 上述した『パンドラ』なる存在がどうやら水面下で暗躍する謎の組織であるということも判明し始め、大陸中のボルテージは最高潮に達していた。
 益々激化を続ける戦場、パンドラのアジトと思しき場所で見つかる小さな謎の箱。  果たして、大陸全土を巻き込んだこの大戦の勝者は…………。

◆05◆大戦の決着(GC大戦RB 企画エンディング)

 三陣営の戦いは激化を続け、各陣営の兵も疲弊の色が濃くなっていた頃。
 戦場の最前線に条約盟主ティオ・コルネーロとその一行が電撃的に参戦。
 同盟と、自分たちに迫る連合の一部勢力の双方を相手取りながら、戦場の中心に立つ。
 そして盟主ティオは、聖印を掲げ、この大戦を終わらせるよう連合、同盟の双方に声明を出す。
 従わなければ我の全力を投入する準備が整っていること、これ以上続けるならば大陸全土に免れようのない傷が刻み込まれるであろうこと。
 それを、力強く両陣営に訴えかけた。

 そんなティオの言葉はすぐさま伝令を通じて連合盟主アルベリク、同盟盟主セレーネの耳にも届く。
 戦場の状況を鑑み、また、二人の元に部下達から届いた、とある情報を吟味した結果、アルベリク、セレーネはティオのその宣誓を受領。
 全軍に撤退の指示を出し、後に『グランクレスト大戦』と呼ばれることになるこの大戦争は、条約の勝利で幕を閉じることとなった。


 条約はそのまま勢いづき、セレーネの言葉に耳も貸さずに敵対を続ける同盟勢力を次々と撃破して回る。
 時には連合と協力し、敵対し。
 そしてとうとう、ティオ達の一行は同盟首都ヴァルドリンドにまで到達する。
 ティオはヴァルドリンドの王城にて、真っ向からの勝負でセレーネを打ち負かし、聖印を巡る争いでもティオの勝利となった。
 敗北したことによりセレーネはティオへの従属を宣言。

それに続くようにアルベリクもティオへの従属を宣言。
 かの大戦から半年ほどの月日を経て、アトラタン大陸はアルトゥーク条約……ひいてはティオ・コルネーロにより統一されることとなるのだった。

◆06◆おわりとはじまり
(GC大戦RB 企画エンディング/GC大戦RBe:プロローグ)

 アルベリクとセレーネのティオへの従属宣言から半年……大戦終結から1年ほどが経ったある日。
 中立地エーラムに存在する大講堂にて、大きな二つの式典が催されようとしていた。
 ひとつは、聖印の継承式。
 連合と同盟、ふたつの国家の盟主の聖印を、条約盟主ティオの元へと引き継ぐ儀式。
 これに続いて、各国家の君主たちが聖印をティオの許へ集めることで、皇帝聖印を現出させるという儀式である。
 そしてもうひとつは、改めて執り行われることとなった連合盟主アルベリクと同盟盟主セレーネの婚姻の儀。結婚式であった。

 式は進み、いよいよアルベリクとセレーネの聖印をティオの聖印へと統合しようとした……その時だった。
 大講堂で巨大な混沌爆発(カオス・バン)が発生し、その場に突如デーモンロードが降臨したのだ。
 その様子に、大講堂の惨劇が繰り返されるのかと思った者も少なくなかったと伝えられている。

 さらに突如として、婚姻の儀を取り仕切っていた聖印教会の大司教が、大講堂の地を管理するエーラム……メイジアカデミーの上級教官が、参列者として参加していた君主が、魔法師が、邪紋使いが、突如として牙を剥いた。
 それは混沌崇拝者集団……秘密結社パンドラによる一大蜂起……巨大な謀略であった。

 突然の蜂起に、無防備に聖印の継承を行おうとしていたティオの命もあわやと思われたが、それを咄嗟に飛び出し防いだ者たちがいた。
 それは式典の場に盟主アルベリク、セレーネから内々に声を掛けられて招かれていた両国の英雄、そして独自に秘密結社を追いかけた条約の英雄達である。

 《希望の箱》と呼ばれる不思議な魔道具が英雄の手によりもたらされた連合盟主アルベリクと同盟盟主セレーネは、自分たちの信の置ける英雄達に、独自にこの魔道具の調査を依頼した。
 様々な方法、状況で調査を行ったことで、『箱』は開かれた。

 『箱』を、極めて混沌濃度の高い状況……魔境の中でさらに激しい混沌濃度の上昇を行ったような空間に置くことで、中に隠された暗号らしき文書が解放されたのである。
 その暗号は、秘密結社パンドラの闇魔法師たちがアジトと思しき場所に残していた様ものと酷似しており、記された内容が露になった。

──来る聖印統合の場にて、再び秩序の崩壊を。

 それがパンドラによる謀略。
 秩序の時代の到来を防ぐための秘策だった。

 「大講堂の惨劇」の際は、パンドラの存在に気付くものがおらずそれは成ってしまったが、しかし、今回は違った。
 その場には、パンドラの野望を防がんとする者達がいたのだ。
 それこそが『箱』を盟主の許にもたらした連合・同盟の英雄達あり、彼らと戦場で、あるいは秘密結社を追う中で絆を深めた、条約の英雄達であった。

 アルベリクとセレーネ、それぞれによって解析されたその情報は、一切表沙汰にはされず、無論ティオにさえ伝えられることはなかった。
 どこにパンドラの影が潜んでいるかが掴めなかったからである。

 ティオの側にいる者にさえ、パンドラの息のかかった者がいる。
 その可能性さえ拭えなかったからだ。

 結果として、盟主として信のおける人物であったごく少数の連合・同盟の英雄へ、そして彼らが懇意にしていた条約の英雄達にだけ、秘密裏にこの情報が伝播し、そして、パンドラによる野望を寸でのところで回避。
 デーモンロードも、結社に与する者達も討ち倒されることとなった。


 しかし、そのままハッピーエンドとは問屋が卸さない。
 その日。
 秘密結社パンドラから、アトラタン大陸全土に向けた声明が出されることとなる。

 『世界に秩序の時代が訪れることはない。世界は混沌の渦に吞まれ続けたままでいるべきである』
 『これは宣戦布告である。世界から秩序を発散するための、新たなる戦の始まりである』
 『改めて我らは宣言する。我らは【混沌解放戦線パンドラ】。これは、秩序から世界を奪還するための戦争である』

 大陸暦2016年。
 戦の爪痕深く、未だ癒えきらぬアトラタン大陸に。
 新たなる戦乱が幕を開けようとしていた…………。



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