突然、あなたの目に広がる景色が変わる。
「いやいや、突然こんな真っ白で何もない部屋に呼び出してしまって申し訳ない」
あなたの前に突然現れた男はそういって、非礼を詫びるように頭を下げる。
「とはいえ、そうでもしなければ幾分……マズい状態になってしまってね」
溜息をひとつついて。
「詳しい話は、そうだね。……あまり時間をかけたくない。移動しながら話をしよう」
そう言うと、何もない部屋の壁に揺らぎが現れる。
揺らぎはやがて収束し、暗い廊下のようなものにつながっているのが分かる。
「突然のことで、何がなんだかって思われてるのはわかってるんだ。だけど」
「このままにしておくと、世界が根本からひっくり返ってしまうことだけは確かだ」
そう言って、男は揺らぎから生み出されたその漆黒の回廊に一歩足を踏み入れて。
あなたの方へ振り向いて、手を差し出す。
招き入れるかのように。
「まあ、なんというか、早い話が」
「キミの力を、借りたいんだ」