◆ Afterplay 02 ◆ ある日のチャット 〜どうしても聞きたいこと〜


 セッション終了から数日後のある日のこと。筆者であるやかんは、なんとしても蒼羽さんに聞きたいことがあった。
 その答えを聞くために、スカイプへ入る。
「今時間あるー?」
「今は暇だよー」
 何気ない雑談から始まった会話は、やがてセッションの話へと変わっていく。
 なんとしても聞かなければならない。そう。この答えだけは何としても聞いておかなければならないのだ。

やかん:セッション中、ルーカスは剣を鞘に入れてるとか言ったけど絶対入らない。リプレイ書いてるの俺だし、勝手に直そう。

 おっと、これはまったく関係ない話だった。
 とりあえずとりとめもない会話が続くので省略。

やかん:俺はだいたい、別にストーリーには関係ないような背景まで考えてキャラ作ってます(笑)
蒼羽:すげぇ! 私はデザインから入るからアレだなぁ。中身が見事に空っぽです!
やかん:いや、デザインからってのもアリだと思う。そうするとライフパスから設定を広げていける。楽しいと思うよ。
蒼羽:後付け設定美味しいおいしい。
やかん:そうそう。ストーリーの展開でおいしい設定を後付けしたりとかねー。
蒼羽:後付けおいしいっ。
やかん:それに、デザインから入ると外見好きにできるしね。テンかわゆいし。俺はあのベレー坊に負けたよ(笑)
蒼羽:あれはすごく描きたかったです。キャラが決まる前からそれだけは考えてた! それしか考えてなかった! キャラデザたのしっ。
やかん:キャラを自分で作って、そのキャラで遊べるのはTRPGの魅力のひとつだよね、やっぱり。
蒼羽:キャラ考えるの好きだけど、動かすところがなかったから、すごくいいよ。だって、私が絵描き始めたのは自分の子描きたかったからだぜ。
やかん:ああー、それは分かる。
蒼羽:それなのに動かないんだぜ。
やかん:そうなんだよね! 動いても頭の中だったりSSだったりして、自分ひとりで完結しちゃうんだよね!
蒼羽:ねー! なりチャとかも完結せずに終わること多いしね。
やかん:確かに。そういう意味でも、TRPGはなりチャとか参加してる人とかに是非ともおススメしたい。


キャラクタープレイ

馬場秀和氏が提唱したプレイングスタイルのひとつ。
度が過ぎるとRPGを新しく始める方たちの門を狭めることになるプレイングスタイル。
詳しくは馬場秀和のRPGコラム 『キャラクタープレイ −あるいは傷つきやすい人々−』を参照。
簡単に言うと、ロール(役割)プレイの域を超えてキャラクタープレイ(演技)を行うスタイルを指す。
まあつまり、あんまり褒められたプレイではないということ。しかし仲間内がそれを納得している場合はその限りではない。
また、適度なキャラクタープレイはシナリオにドラマ性を与えるので積極的に活用するべきであるとの意見もある。


蒼羽:けどTRPGだと、皆がいるから途中で終わっちゃうこともないし。
やかん:だね。

そろそろ話を聞いてみるかな、なんて思っていた矢先。
その答えは思っていたよりもあっさりと出てしまった。

蒼羽:だから楽しかったなぁ。

新しい方に参加してもらうと必ず聞くこと。楽しかった? またやりたい?
プリプレイにも書いたが、TRPGには明確な勝ち負けがない。
シナリオの目的を達成したら勝ちかもしれない。でももし、PLに笑顔がなくても、それは勝ちと言えるのだろうか。
パーティメンバーが全滅したら負けかもしれない。でももしPL全員が大爆笑だったら、それは負けになるのだろうか。
TRPGはGMとPLとが敵対するような構図になりがちだ。しかし、それはすべてではない。
GMは、PCたちが勝てるかどうかギリギリのバランスでシナリオを組むことが多い。それは勝つためなのか?
いや、それならば強い敵を1体ドンとぶつけるだけでいいのだ。
あくまでGMはエンターテイナーとして、PLたちにスリルとカタルシスを与えるためにそういったバランスのシナリオを組むのだ。
そう。つまりは楽しんだもの勝ち。それがTRPGなのである。

蒼羽:マジやってよかったよ! 興味あったしね!
やかん:嬉しい! そういってくれると本当にうれしい! 毒牙にかけた甲斐があったってもんだ!
蒼羽:これからすごくはまりそうです。
    見事にはまりました by 蒼羽(2009.12.15)


今回の結果はこの通り。
初参加の蒼羽さんに楽しんでもらえたら。そう思って行ったセッションは、見事にその通りの結果となった。
そして、ミッションで終わるかクエストになるか分からなかったこのセッションは、見事キャンペーンへと昇華した。
この先、PCたちがどのような冒険をするのか。それは、筆者にも分からない。

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